決勝戦を前に多くの言葉を語ることは無粋である。
この決勝ラウンドはすべてマッチが記事として掲載されてきており、結果、このふたりの戦いぶりについてはすでに十分に語り尽くされてきただろう。
だから、あとは、LMC Championships を制するのがどちらになるかを、ただ静かに見守ろう。
千葉の決勝ラウンドは、静かと呼ぶにはほど遠い環境ではあるが、せめて筆者だけでも静かに見守りたい。
先手の平山は、2 ターン目に《苦花/Bitterblossom》をキャストという順当な立ち上がり。
対する東海林は、フェアリー相手にはただの 1/1 でしかない《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》からスタートというあまりうれしくない展開。2 ターン目には《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を追加したものの、平山が 3 ターン目にキャストした《思考囲い/Thoughtseize》によって《幽体の行列/Spectral Procession》をディスカードさせられてしまい、《皺だらけの主/Wizened Cenn》は《霊魂奪取/Soul Rend》と爆発力を削がれる展開となる。しかたなく、東海林は《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》を追加する。
しかし、手札に《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を持つ平山も、4 枚目の土地として《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》をセットしなければいけないという展開。だが、この3マナでキャストした《ウーナの末裔/Scion of Oona》によって強化されたトークンが《ゴールドメドウの重鎮》を討ち取ったため、十分なターンを稼ぐことに成功する。
東海林は、ここで《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》で土地をのばしつつ、《運命の大立者/Figure of Destiny》を追加し、続くターンでキャストされる《霧縛りの徒党》へ備える。
平山は《ウーナの末裔》で強化されたトークンと《霧縛りの徒党》でアタックし、東海林のライフを削っていき、さらに《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》でアドバンテージを稼ぐ。しかし、東海林も《ジェイス・ベレレン》を見向きもせずに攻撃をし、平山のライフを 4 まで追い詰める。
そして、5 枚目の土地をセットし、すべてをタップしたところで、平山は「あぁ」と声を上げる。
東海林がキャストしたのは《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》。
続いて《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》が東海林に力を貸し、盤面上では十分なダメージを平山に与えるだけのクロックが用意された。
《苦悶のねじれ/Agony Warp》によって 1 ターンはしのいだ平山だったが、一撃即死のタイトロープを渡りきることはできなかった。
東海林 1-0 平山
東海林の 2 枚の《損ない/Unmake》に《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》と《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》という手札から、《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》をディスカードさせるというのが平山の 1 ターン目のアクション。
しかし、ここで珍しくというべきか平山は 2 ターン目に《苦花/Bitterblossom》を設置することができない。さらに、東海林の 2 ターン目のアクションが、なんと《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》。
ここで《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》を追加した東海林だったのだが、これは《蔓延/Infest》で一掃されてしまう。
3 体目の《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》をキャストする東海林。この《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》は、《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》を《損ない/Unmake》の犠牲にしつつ、《変わり谷/Mutavault》との合わせ技で《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でカウンターする。
完全に脅威を捌ききられてしまった形になった東海林の前に《ウーナの末裔/Scion of Oona》《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》と続けてキャストされる。
深いため息を吐きながら土地をタップし、《ウーナの末裔/Scion of Oona》を《損ない/Unmake》する東海林。
平山は《変わり谷/Mutavault》と《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》で東海林のライフを一気に削りにかかる。
《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》こそ 3 枚目の《損ない/Unmake》で除去されてしまったものの、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》と連続で《霊魂奪取/Soul Rend》したことで、今度は東海林が渡るロープを断絶させる事に成功したのだった。
東海林 1-1 平山
先手の東海林は 1 ターン目に《運命の大立者/Figure of Destiny》から 2 ターン目に《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》という展開。
平山は《運命の大立者/Figure of Destiny》を《名も無き転置/Nameless Inversion》で除去する。ここでフルタップの平山に対して、2 マナ圏の後続がない東海林だったが、続くターンには、きっちりと《幽体の行列/Spectral Procession》キャストする。
早くも世界が終わったかのような表情になる平山だったが、ドローしたカードを見て目に見えて表情が明るくなる。そう《蔓延/Infest》をトップデックしたのだ。
そして、東海林のキャストした《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》を《誘惑蒔き/Sower of Temptation》する。
平山 「《損ない/Unmake》だけは勘弁してください。お願いします!!」
平山の願いは天に通じたのか、東海林の手には除去がない。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》で 2 体の《運命の大立者/Figure of Destiny》をサーチし、うち 1 体を 2/2 として場に追加する。
平山も《苦花/Bitterblossom》をついに盤面に設置するのだが、続くターンに東海林はトークン含めてフルアタックで平山のライフを 7 にまで追い詰める。追加した 2 体目の《運命の大立者/Figure of Destiny》は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でカウンターされてしまうが、《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を追加することには成功する。
しかし、平山も《やっかい児/Pestermite》で時間を稼ぎ、じわじわと東海林のライフを削りにかかる。
東海林の場に 8/8 となった《運命の大立者/Figure of Destiny》がいる一方で、平山も《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》で《苦花/Bitterblossom》を覇権し、一進一退の攻防となる。
広く知られているように、《運命の大立者/Figure of Destiny》は最終形態でもトランプルを持っていないため、これでは決定打とならない。
お互いにタイトロープの続いたマッチアップだったが、最後の最後に、お互いがタイトロープという展開となった。
勝負は先に決定打となるスペルを引いた方の勝利になると言っても過言ではない。
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東海林は《運命の大立者/Figure of Destiny》でアタックするが、これはフェアリートークンでチャンプブロックする。そして、空があいた瞬間に一気にダメージをたたき込む。
《運命の大立者/Figure of Destiny》に制空権を頼り切っても、1 枚の《死の印/Deathmark》でひっくり返されるであろうことを懸念してか《運命の大立者/Figure of Destiny》を含めたすべてのクリーチャーで攻撃することを東海林は選択する。
平山の手札は《苦悶のねじれ/Agony Warp》。
Game 1 では、ただ 1 ターンを稼ぐだけだったこの呪文。
しかし、このゲームではこれは、決定打。
東海林 1-2 平山
こうして、LMC Championships 2008 は、平山の優勝という形で終了した。
しかし、主催者から、来年も開催されることが宣言された。
そして、東海林は力強く宣言する。
東海林 「来年はリベンジしますよ」
果たして、新しいシーズンではどのような戦いが繰り広げられる事になるのだろうか?
しかし、ここは、本年度の優勝者を祝福しよう。
おめでとう、平山 大輔!!
Faerie - Hirayama Daisuke / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 1 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 やっかい児/Pestermite |
2 コショウ煙/Peppersmoke 2 死の印/Deathmark 2 瞬間凍結/Flashfreeze 1 否認/Negate 1 蛇変化/Snakeform 1 夢への委託/Consign to Dream 2 蔓延/Infest 1 思考囲い/Thoughtseize 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore |
Kimo-Kin - Shoji Kenta / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 3 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
4 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 目覚ましヒバリ/Reveillark 1 外身の交換/Crib Swap 1 損ない/Unmake 3 神の怒り/Wrath of God 1 変わり谷/Mutavault |
メタゲームというものを、ただ端的にとらえるのは難しいことは百も承知でいうのだが、今回の LMCC の決勝ラウンドは非常に極端なメタゲームとなった。
4 人のフェアリーと 2 人のキスキンに赤単とエルフがひとりずつだ。
実際に、クイッケントーストなどのデックも存在するものの、フェアリーに対する相性の悪さ故か、上位に残れないことは、三田村 和弥の成績が実証している。
現在のメタゲームはフェアリーが支配し、そして、それをメタったデックがやっと上位に存在できるだけなのだ。
そして、高橋 雄一はそのメタゲームの中にあって確実に勝ち組であった。準々決勝では、「魔王」三原を、相性のアドバンテージをきちんと活かした形で成敗しているのである。
しかし、東海林賢多のデックはメインボードから 《ブレンタンの炉の世話人 /Burrenton Forge-Tender》 を採用したキスキンである。
メタゲームに笑った高崎が、今度はメタゲームに泣くことになるのか。
後手の東海林の《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》がファーストアクション。対して高崎は、この《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》を《マグマのしぶき/Magma Spray》で除去する。
しかし、東海林のキャストしたのは前述の通りメインボードから採用されている《ブレンタンの炉の世話人》。このプロテクション赤の前では高崎のキャストした《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》もしばらくはただの置物でしかない。
一方の東海林も土地が止まってしまうが、アラーラの注目カードである《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》によって、なんとか 3 マナ目を確保し、《幽体の行列/Spectral Procession》で一気にクロックを加速する。
《白蘭の騎士》は《穿刺破》で退けたものの、《幽体の行列》のトークンがどうしようもなく、さらに《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment》をうっかり《ブレンタンの炉の世話人》へとチャンプアタックしてしまう。
完全に平常心を失ってしまっている高崎に対して、2 枚目の《幽体の行列》は戦意を削ぐに十分だった。
高崎 0-1 東海林
先手の高崎がダブルマリガン。
そして、初動が、2 ターン目に東海林のキャストした《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》に対する《炎の投げ槍/Flame Javelin》というかなり厳しいもの。
一方の東海林は、後手のメリットを生かし、3 ターン目に土地のセット前に《白蘭の騎士》をキャストし、その後土地をセットすることで、マナ加速することに成功。4 ターン目には《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》を場に送り込むことに成功する。
すでにダブルマリガンで著しくアドバンテージを失っている高崎だったが、《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》を場に追加し、なんとかライフを守ろうと画策する。
しかし、《ボガートの突撃隊》がブロックした《白蘭の騎士》を《ひなびた小村/Rustic Clachan》が補強する。これで、先制攻撃で一方的に葬られてしまう。
高崎は、手札の 2 枚の《復讐の亜神/Demigod of Revenge》にすべてを託すが、1 枚目の《復讐の亜神》が《損ない/Unmake》でゲームから除外されてしまったことで、なすすべが無くなってしまったのだった。
高崎 0-2 東海林
試合が終わった後に、東海林にフェアリーとの相性を訪ねてみた。
東海林 「わからないですけど……ただ、今日 3 回当たったフェアリーには全部勝ってますよ」
Final Result:東海林賢多、決勝進出!
Red Deck Wins - Takasaki Yuichi / LMC Championships 2008 | |
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4 モグの狂信者/Mogg Fanatic 4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger 4 ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang 4 復讐の亜神/Demigod of Revenge |
4 ゴブリンの突撃/Goblin Assault 2 恒久の拷問/Everlasting Torment 2 粉々/Smash to Smithereens 4 恨み唸り/Spitebellows 3 ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger |
Kimo-Kin - Shoji Kenta / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 3 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
4 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 目覚ましヒバリ/Reveillark 1 外身の交換/Crib Swap 1 損ない/Unmake 3 神の怒り/Wrath of God 1 変わり谷/Mutavault |
フェアリーのミラーマッチ。
ただ、その内容は微妙に異なり、純粋な 2 色の平山に対して、白を加えている桜井。その違いがどう出るか。
ダイスロールで平山が先攻。対する桜井は 1 回のマリガン。
先手第 2 ターン《苦花/Bitterblossom》という絶好のスタートを切る平山に対し、桜井は3色土地である《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》を並べて《思案/Ponder》を第2ターン、第3ターンにプレイという地道な行動。
この 2 枚目に対し、平山は少し考えて、対応する形で《ウーナの末裔/Scion of Oona》を場に送る。
桜井は土地を置いて《苦花》。続く平山の《ウーナの末裔/Scion of Oona》とトークン 1 体の攻撃は受けるものの、自らのターンで《名も無き転置/Nameless Inversion》を《ウーナの末裔》にプレイ。
平山が対抗して《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を出せば、桜井も《呪文づまりのスプライト》。
これで《ウーナの末裔》は退場し、場では均衡を取り戻した形となった。
そうなっても、平山は手を緩めない。トークン 2 体で攻撃を続行。一方、その攻撃は通した桜井は、トークンを攻撃に回さずに待ち受けた。
平山はかまわずトークン 3 体で攻撃、これを桜井はトークン 2 体と《呪文づまりのスプライト》でブロック。
戦闘ダメージをスタックに乗せた後、死にゆく《呪文づまりのスプライト》を種に《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を呼ぼうとする桜井だが、これは《謎めいた命令/Cryptic Command》で阻まれる。もうひとつのモードはドロー。
しかしここで、白をタッチしている桜井のデッキの特徴が発揮される。
プレイ《エスパーの魔除け/Esper Charm》。モードは「対象のエンチャントを破壊する」……対象はもちろん、平山の《苦花》。
これで自分だけ《苦花》を持つ状態となり、を取り戻したかに見えた桜井だったが、あとが続いていかない。
桜井の手札は 3 枚。平山が確認のため《思考囲い/Thoughtseize》をプレイすると、目の前に咲き誇る 3 枚の《苦花》。……ある意味、フェアリー使いの理想ではある。
「どれにしますか」と桜井。
「『この』《苦花》で」と平山。
しかしこれで対処手段が何もないことが明らかになった。アップキープの《霧縛りの徒党》から《謎めいた命令》を見せられて、先手を取られて少なくなっていた桜井のライフは削りきられてしまうのだった。
桜井 0-1 平山
「白入りと対戦するのは初めてで、ちょっとチャーム(《エスパーの魔除け》)は想定外だった」と平山。
一方、「ミラーは(自分が)不利だと思います」とは桜井の正直な感想。
それでも、決勝を目指すためにはこの苦境を勝ち抜かなければならない。
桜井が意を決した声で「キープ」。その内容が、平山の《思考囲い》で明らかになる。
《思案》2枚と、《呪文づまりのスプライト》《名も無き転置》《思考囲い》《霊魂放逐/Remove Soul》。非常に濃い内容だが、《苦花》も、そして土地もないことが明らかになってしまった。平山は《思考囲い》を指定して自分の手札を守る。
桜井は最初のドローで《島/Island》を引き当て、2 枚の《思案》でも土地があることを確認して一安心である。
桜井の第 3 ターン終了時、平山は《呪文づまりのスプライト》をプレイした。
攻勢を取るのか、揺さぶりなのか。場には何もないので自分の《呪文づまりのスプライト》ではカウンターできない。桜井は何が続いてくるかを考えつつ、エンドステップ中に《名も無き転置》でこれを除去した。
そこに、平山が 2 枚目の《思考囲い》。
桜井の手札は、先ほども見えた《呪文づまりのスプライト》《霊魂放逐》と、《エスパーの魔除け》《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》。この中から、《霊魂放逐》が選択された。
桜井は《エスパーの魔除け》を『自分に 2 ドロー』モードでプレイしてリフレッシュを図る。
平山も桜井のターン終了時、《ウーナの末裔》を投入を図るが、これは《謎めいた命令》で対応してみせた。(もうひとつのモードはドロー)
場に土地以外のパーマネントがない、いわゆる「平たい」状態。
こうなると、ものを言うのはクリーチャー化できる土地である。この時点では、双方に《変わり谷》が 1 枚ずつ。
それが 1 回ずつ攻撃し、このまま殴り合いになるかと思われたが、桜井が《変わり谷》の 2 枚目をプレイしたところで、平山は《フェアリーの集会場》を擁した状態でそのままターンを返す。
桜井は 3 枚目の《変わり谷》をプレイすると、もとからあった《変わり谷》 1 体で攻撃宣言。
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これに対し、平山はブロック前に《変わり谷》からマナを出してこれ自体をクリーチャー化すると、《霧縛りの徒党》をプレイ。
一方的に討ち取られることを防ぐため、《呪文づまりのスプライト》でカウンターしたい桜井だが、そのためには自分の 2 枚の《変わり谷》をクリーチャー化しなくてはいけない。これでもギリギリだ。
《呪文づまりのスプライト》は場に出るのだが、「カウンター」能力が解決される前に、《コショウ煙/Peppersmoke》を《呪文づまりのスプライト》にプレイする平山。これが解決されると、条件を満たさなくなり《霧縛りの徒党》はカウンターされない。しかも 1 ドローのおまけつき。
結果、《変わり谷》を覇権して出てきた《霧縛りの徒党》が《変わり谷》を討ち取ることになった。
これで平山が再び攻勢へ。《霧縛りの徒党》と《フェアリーの集会場》で攻撃する。
黙ってはいられない桜井も《変わり谷》 2 体で攻撃。片方が《名も無き転置》されるが、この隙に《霧縛りの徒党》を《恐怖/Terror》。
しかし、平山の土地クリーチャー攻撃も止まらない。《霧縛りの徒党》が死んで帰ってきた《変わり谷》と《フェアリーの集会場》で攻撃。
《変わり谷》は相打ちにとるものの、桜井は有効な対処手段を引けない。
《フェアリーの集会場》だけが攻撃して、桜井のライフだけが 8、6、4と減っていく。
そして平山は、さらに《変わり谷》を引き当てる。
平山のデッキには、クリーチャー化できる土地が 6 枚。
桜井のデッキには、クリーチャー化できる土地が 4 枚。
最後に来て、その差が出てしまった形となった。
桜井 0-2 平山
青黒フェアリーは、以前から強さを発揮しているデッキであり、ある程度の決まった形がある。
しかし残された部分をどうするかは、使い手の考え方やセンスによって自由にデザインできる。そこを考えて変えていくことで、人から見れば同じデッキでも、それぞれの「自分のデッキ」になる。
それは難しいことであり、もちろん、とても楽しいことでもある。
Final Result:平山大輔、決勝進出!
Starlight - Sakurai Hikaru / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 2 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique |
1 ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer 4 糾弾/Condemn 4 瞬間凍結/Flashfreeze 3 思考囲い/Thoughtseize 3 蔓延/Infest |
Faerie - Hirayama Daisuke / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 1 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 やっかい児/Pestermite |
2 コショウ煙/Peppersmoke 2 死の印/Deathmark 2 瞬間凍結/Flashfreeze 1 否認/Negate 1 蛇変化/Snakeform 1 夢への委託/Consign to Dream 2 蔓延/Infest 1 思考囲い/Thoughtseize 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore |
1 年間にわたる LMC シーズンの集大成として開催された、この LMC Championships も、ついに決勝ラウンドを残すのみとなった。
この 1 年間で LMC イベントに参加し続けた「魔王」三原 槙仁。「千葉限定カイ・ブッディ」増野 良輔のジャガーノートっぷりに年間ポイントレースで大きく水をあけられてしまっていたが、ここに来て増野がトップ 8 入りを逃したことで、ここで準優勝以上の成績を残せば大逆転ができるというドラマティックなステージが完成した。
使用するデックは、「魔王」らしからぬエスパー・フェアリー。
そんな黙示録を阻止するべく三原の前に座るのが、高崎 雄一である。
使用するデックは、「バーンの伝道」板東 潤一郎曰く「王者のデック」こと赤単である。
なぜ板東がコメントしているのか、そしてどの辺が王者なのか、板東は王者といいたいだけなのではないかと、様々な疑問はあるが、しかし、赤単とフェアリーの相性だけは疑うところもない。
グランプリ・神戸以来ぶりに構築のトーナメントに参加したという高崎だが、デッキ相性を生かして、勝利を手にすることができるのか。
それとも、相性差を「魔王」が覆し、驚異的な逆転神話を三原がのこすのか。
先手高崎がマリガンから、ファーストアクションが 2 ターン目の《運命の大立者/Figure of Destiny》という厳しいスタート。
対して三原は《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》から捻出した黒マナで 2 ターン目に《思考囲い/Thoughtseize》。ここで開示された手札が
という内容。三原は渋々《ボガートの突撃隊》をディスカードさせるが、当然、《運命の大立者》が 4/4 となって三原のライフを削りにかかる。メインの除去として《苦悶のねじれ/Agony Warp》を採用している三原にとってかなり厳しい展開である。
そして、追い打ちをかけるように、土地が 2 枚で止まってしまう。《苦花/Bitterblossom》を設置する三原だが、すでにダメージレースがエクストリームしている現状では《苦花》はあまりに痛すぎる。
だが、三原はここで幸運にも、フェアリートークンによるダメージと《苦悶のねじれ》の合わせ技で《運命の大立者》を除去することに成功する。ここで《モグの狂信者/Mogg Fanatic》の能力を使用しなかったことを悔いたのか、高崎は《復讐の亜神》での攻撃時には、今度はきちりとフェアリートークンに対して能力を起動する。しかし、今度は《ウーナの末裔/Scion of Oona》が間に合ってしまい、非常にちぐはぐな展開となってしまう。
追加の 4 枚目の土地を引き込むことに成功した三原は、高崎のアップキープに《霧縛りの徒党》をキャストする。三原のライフは 7 だが、しかし、これで巻き返せる目算が大きくなった。
高崎は 5 枚の土地すべてからマナを生み出す。
三原 「5 マナ??」
この時点での高崎の手札は 2 枚で、うち 1 枚はすでに確認済の《マグマのしぶき》である。
高崎はマナを残したままカードをドロー。
そして、三原に 2 枚のカードを提示する。
《炎の投げ槍/Flame Javelin》そして……《火葬/Incinerate》。
三原 「うわー、しまったー……って全然しまってねぇー。どうしようもねぇ。それ今ひいたの?」
高崎 「王者のドローです」
三原 0-1 高崎
《変わり谷/Mutavault》を含む土地 5 枚に、《霧縛りの徒党》《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》という手札をみて、大きく頷きゲームをスタートする三原。
しかし、高崎の 1 ターン目のアクションである《運命の大立者》を見ていきなり頭を抱える。
三原 「やべぇ、もう負けそう」
何を言っているのかわからないが、本当に言っているのだから仕方がない。
1 ターン目・2 ターン目と《秘儀の聖域》《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》というタップインランドを処理し、《ジェイス・ベレレン》を場に送り込む。
この能力でのドローが念願の《苦花》。とはいえ、この先の高崎の選択肢次第では、この《苦花》に活躍の機会があるのか否かが勝負を大きく決定づけることになりそうだ。
高崎は、《苦悶のねじれ》を警戒して、三原のフルタップの隙に《運命の大立者》を 4/4 にすると、「わからん、全くわからん」といいつつ、《ジェイス・ベレレン》に攻撃する。
なんとか手札を消費することなく 1 ターンを稼ぎ出した形となった三原。ここで《苦花》を場に送り込む。
そして《霧縛りの徒党》をキャスト。だが、これは《炎の投げ槍》できっちりと捌かれてしまう。この絶体絶命の状況で三原が引いてきたのが、《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》。すでに高崎は 6 マナを確保しているが、しかしこのターンは《ゴブリンの突撃/Goblin Assault》のキャストを優先し、《運命の大立者》は 4/4 のままアタック。
これで若干の余裕ができた三原は、フェアリートークンに《ロクソドンの戦槌》を装備させてアタックする。このトークンを高崎は《火葬》で除去し、三原にライフ回復の機会を与えない。
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さらに、三原の《ロクソドンの戦槌》への希望を《粉々/Smash to Smithereens》が文字通り粉々に打ち砕く。これで三原のライフは 3 になり、続く《苦花》によって、2 になる。
もはや、ただ死を座して待つのみとなってしまった三原ではあったが、ここでのドローがなんと《霧縛りの徒党》。最後のワンチャンスに期待してターンを終了する。
高崎は 2 体のゴブリントークンと、《ギトゥの宿営地》に《運命の大立者》でアタックを宣言。これに対して、三原は、フェアリートークン 2 体と《変わり谷》、さらに《苦花》を覇権した《霧縛りの徒党》でのブロックを宣言しようとする。
しかし、高崎が《霧縛りの徒党》の覇権に対応する形で赤マナを生み出すのをみて、三原はすべてを悟る。
三原のブロッカーに対してキャストされる《マグマのしぶき》。
三原 0-2 高崎
ここで、三原の最終順位が確定したことによって、増野 良輔が LMC の年間ポイントレースでの首位を確定させた。
Final Result:高崎雄一、準決勝進出!
Faerie - Mihara Makihito / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 3 誘惑蒔き/Sower of Temptation |
1 ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer 3 死の印/Deathmark 2 鎖の呪い/Curse of Chains 2 コショウ煙/Peppersmoke 3 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren 2 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore 2 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique |
Red Deck Wins - Takasaki Yuichi / LMC Championships 2008 | |
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4 モグの狂信者/Mogg Fanatic 4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger 4 ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang 4 復讐の亜神/Demigod of Revenge |
4 ゴブリンの突撃/Goblin Assault 2 恒久の拷問/Everlasting Torment 2 粉々/Smash to Smithereens 4 恨み唸り/Spitebellows 3 ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger |
今大会ではおなじみとなった、フェアリーとキスキンの対戦。
細かいチューニングが勝負を分けそうだ。
ダイスロールで須藤が「20 面体の 1」を出してしまい、東海林が先攻を選んだ。
東海林は《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》から、《皺だらけの主/Wizened Cenn》と続けて 2 点を与える立ち上がり。
第 3 ターンの攻撃は《苦悶のねじれ/Agony Warp》で《皺だらけの主》を除去しつつ 0 点に抑えるが、続けて《幽体の行列/Spectral Procession》。
須藤は《変わり谷/Mutavault》を出して待ち受けるが、東海林は《変わり谷》プレイから《栄光の頌歌/Glorious Anthem》を見せる。
これが通り、攻撃で須藤のライフは一気に 10 に。
この終了フェイズに《ウーナの末裔/Scion of Oona》を出すが、《苦花/Bitterblossom》がない状況では物量に押され気味。
場にある《変わり谷》などを動かしながら、次のターンのブロックを考える須藤。しかしその表情は芳しくない。対して東海林はポーカーフェイス。
《変わり谷》《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》と並ぶ横に《島/Island》を置くだけでターンを返す須藤に対し、東海林はスピリット・トークン 3 体で攻撃。須藤は《ウーナの末裔》で 1 体をチャンプブロックする形。
東海林が続けた《幽体の行列》 2 枚目を《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターしつつ、《栄光の頌歌》を戻す。この結果トークンが 1 つ減る。
ターンを返した東海林に、須藤はなけなしのライフ 6 から《思考囲い/Thoughtseize》をプレイして、《栄光の頌歌》を落とすことで耐えようとするが、横には《運命の大立者/Figure of Destiny》に加えて《皺だらけの主》が見えている。
ターンを返した須藤に、東海林は《皺だらけの主》をプレイして、《ブレンタンの炉の世話人》とスピリット 2 体で攻撃し、《変わり谷》は残す。
須藤は《変わり谷》で《ブレンタンの炉の世話人》をブロックし、《苦悶のねじれ》で《皺だらけの主》を除去しつつトークンのパワーを下げて耐えるが、もはやライフは 3。
続くターンに《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を見届けると、東海林の攻撃宣言を待って投了を宣言した。
須藤 0-1 東海林
逆転を期する須藤が先攻。しかし、その 7 枚に《苦花》はない。ほかの内容は悪くないのでキープとした。
今度は東海林も内容が芳しくなく、マリガン。
その 6 枚に向けて須藤が《思考囲い》を放つと、《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》《皺だらけの主》《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》。ここから須藤は《メドウグレインの騎士》を選択し、東海林は《ゴールドメドウの重鎮》を《皺だらけの主》公開でプレイした。
《フェアリーの集会場》のプレイを見て、東海林は存在を知られている《皺だらけの主》ではなく、《風立ての高地/Windbrisk Heights》をプレイして様子を伺う。
ここで須藤は守りの要となる《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》を場に送る。
東海林もこれには手を止めざるを得ず、《風立ての高地》の 2 枚目と《皺だらけの主》をプレイするのみ。
これで時間を得たと思われた須藤だが、第 4 ターンにプランを考えていると何かに気づいたらしく、《人里離れた谷間/Secluded Glen》(公開:《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》)から一転《フェアリーの集会場》と《静月の騎兵》で攻撃に入る。
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東海林の《皺だらけの主》《ゴールドメドウの重鎮》の攻撃に対しては、《送還/Unsummon》で《ゴールドメドウの重鎮》を戻す。東海林は引き当てていた《幽体の行列》をプレイ、さらに《風立ての高地》の 3 枚目を並べる。
須藤は再び考慮に沈む。今度は《静月の騎兵》も攻撃に行けず、5 枚目の土地を置いてターンを返すだけ。
東海林は《皺だらけの主》とスピリット 3 体で攻撃、須藤は《静月の騎兵》に飛行を与えてスピリット 1 体を撃墜。
しかしこれで《風立ての高地》の条件を満たした東海林は、1 枚目から《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》、2 枚目から《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をプレイして 2 枚の《運命の大立者》を手札に加え、3 枚目から《幽体の行列》プレイと、一気に物量を増した。
一方、須藤は土地こそ順調に並ぶものの、1 枚の《静月の騎兵》に続く対処手段が来ない。
東海林のターンに入りアップキープ、仕方なくといった感じで《フェアリーの集会場》をクリーチャー化して、それを覇権する形で《霧縛りの徒党》をプレイするが、覇権能力に対応しての《外身の交換/Crib Swap》をプレイされて成就せず。
さらに《栄光の頌歌》がプレイされては、「完敗」というほかになかった。
須藤 0-2 東海林
Final Result:東海林賢多、準決勝進出!
UB Faerie - Suto Takuo / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 4 ウーナの末裔/Scion of Oona |
4 瞬間凍結/Flashfreeze 3 死の印/Deathmark 3 コショウ煙/Peppersmoke 3 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 2 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique |
Kimo-Kin - Shoji Kenta / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 3 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
4 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 目覚ましヒバリ/Reveillark 1 外身の交換/Crib Swap 1 損ない/Unmake 3 神の怒り/Wrath of God 1 変わり谷/Mutavault |
8 回戦に渡る長い予選ラウンドを経て、選び抜かれた 8 人の猛者が準々決勝の席へ着く。
あるものはレギュラーシーズンの成績によって得た不戦勝を活かして、あるものは今日使うデッキにすべてを託して勢いつけて駆け抜けて。ここまでに至る過程はそれぞれ違いはあるが、ここから先はみな平等。負けたら終わりの勝負が続いていく。ほとんどのプレイヤーが LMC の常連と呼ばれるプレイヤーであり、それゆえにお互いがお互いに勝ち上がるために越えなければならない壁として十二分な存在であることを知っている。
平山大輔は、「LMC のカイ・ブッディ」増野良輔との「勝ったうえで天に祈らなければならない」最終戦に勝ち、8 位に滑り込んで準々決勝の席に座っている。決勝進出者の中ではプロツアーを知っているプレイヤーであり、翌週に開催されるプロツアーベルリンへの出場権も持っている、場所が違えば挑戦される側に立つかもしれない肩書きを持っている。
しかし、今日は LMC の常連たちによる彼らのための王者決定戦。サークルのようなノリでトーナメントを楽しんできた彼らは、お互いにお互いのプレイヤーがどういう存在であるかを知っている。いつもと違う土地をプレイした瞬間に「え?」と疑問符が口をついて出るくらいには。それは平山も同じことで、自分の前に座っているプレイヤーが、一筋縄ではいかないプレイヤーであることを熟知している。
予選ラウンドを最上位で通過した萩原紀幸は、「一没の帝王」として名が通っている。萩原自身にとってはあまり歓迎したくない二つ名のようだが、裏を返せばみんなの記憶に残るほどプレイオフ進出を果たしているということである。スイスラウンドで無類の強さを誇る萩原のプレイオフ進出回数は 12 回、増野の 14 回に次いで単独 2 位だ。
ネガティブな印象を受ける「一没の帝王」という二つ名も、プレイオフへなかなか進むことができないライバルたちからの羨望と屈折した愛情表現の表れと言えないこともない。ベルリンへ向けて勢いをつけたい平山と、一没の帝王の名を返上したい萩原。
チャンピオンを目指すために最初の大きな壁が、互いの正面に座っている。
先攻平山の《思考囲い/Thoughtseize》からゲームはダイナミックに始まった。
萩原が公開した充実した手札に一瞬息を呑んだ平山は《レンの地の克服者》を捨てさせる。手札がばれてしまった萩原も《思考囲い》で平山の手札を確認する。
平山の手札にはさらなる《思考囲い》があるのを確認した萩原は、将来的にがんとなり得る《ウーナの末裔》を選ぶ。平山は 2 枚目の《思考囲い》によって、萩原のドローが《不敬の命令/Profane Command》であったことを確認しつつ《台所の嫌がらせ屋》を捨てさせ、《沈んだ廃墟》をプレイしてマナベースを整備する。
2 ターン目、3 ターン目と攻勢をかける予定であったダメージソースを手札にいるうちから除去されてしまった萩原は、予定外に土地をプレイしてターンを終えることしかできない。せめてミシュラ土地でプレッシャーをかけたいところだが、これもアップキープに《やっかい児/Pestermite》で《樹上の村》をタップされたりと、地味にターンを稼がれてしまう。その《やっかい児》をメインで《名も無き転置/Nameless Inversion》して、のちのちの《樹上の村》と《変わり谷》での攻勢にかける萩原であった。
手札を攻めることでビートダウンとの序盤戦を乗り切った平山は、萩原の作戦を見越したうえで中盤戦へと戦場を移行することに同意した。ミシュラ土地の地上戦とフェアリーによる空中戦。引き込んだ《ウーナの末裔》をプレイして、攻撃へと回す。
殴り続けるためにはマナを要求される萩原としては、《ウーナの末裔》を《眼腐りの終焉》しておきたいところであったのだが、そこに刺さる《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》。2/2 フェアリーは 4/4 飛行のモンスターへと成長を遂げる。
平山が持つ最後の手札が《呪文づまりのスプライト》であることを知っている萩原は、《思考囲い》で捨てさせてから《狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman》をプレイ。狼トークン量産による戦場の支配をもくろむ。そして、互いにハンドはゼロ、だ。
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しかし、手札がない平山がプレイしたのは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》! 《ジェイス・ベレレン》によって、平山にはあらたな手札がもたらされる。
萩原 「つええなあ」
盤面を確認した平山は《霧縛りの徒党》をレッドゾーンへと送り込む。二度の《思考囲い》と土地によってライフを喪失している萩原のライフは 、これによって 11 となった。
しかし、萩原もそうかんたんにやらせはしない。《狼骨のシャーマン》でめくられた《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》によって狼トークンが登場する。5 マナを残した平山へプレッシャーをかけるべく、間髪入れずに《変わり谷》と《狼骨のシャーマン》をレッドゾーンへ送り込み、《ジェイス・ベレレン》を倒し、平山のライフをタイへ持ち込む。
さらに畳みかけるように《カメレオンの巨像》をプレイするが、平山が《ジェイス・ベレレン》で手にしていたカードは《謎めいた命令/Cryptic Command》。追加戦力は封じられ、平山の手札は枯渇しなかった。
平山はドローして《霧縛りの徒党》で殴り、ターンを返す。
続けての狼トークン召喚に失敗した萩原は、勝利を目指して《狼骨のシャーマン》と狼トークンで殴るが、そこに飛んでくる《苦悶のねじれ/Agony Warp》! 《狼骨のシャーマン》は除去され、トークンは無力化されてしまう。
萩原も十分強いカードを引き込んではいるのだが、それにもまして有効カードを引き続けている平山。どちらも手札が枯渇したとは思えない展開である。
平山が持つ最後の一枚がかみ合わないカードであることを信じて、全力で《不敬の命令》をプレイする萩原だが……。
平山が手にしていたのは《否認/Negate》だった。
萩原 0-1 平山
ポイントレース首位の増野が、常連たちにその強さを語られるようになったのは「プレイオフに入ってから中の人が変わった」と言われるほどドローが神懸かりになるからであるという。真偽のほどは定かではないが、スイスラウンド中の増野とプレイオフの増野では、安定度に違いがあるような気はする。
「一没の帝王」たる萩原がなぜその二つ名を頂戴することになったのか。もちろん、過去の戦績がそういう記録を残しているからではあるのだが、それ以上に「プレイオフに入ったらキングボンビーが降臨した」かのように、マリガントラブルに見舞われる萩原の姿を見かけることが多いからであろう。萩原もまた「プレイオフに入ってから中の人が変わる」といえよう。
先攻の萩原は、お約束のようにダブルマリガンをし、さらにその 5 枚のハンドを見て長考するハメになった。「帝王」の名は伊達ではない。
たっぷり悩んで 1 ランドキープした萩原に対して、テイクマリガンしたとは思えない 2 ターン目《苦花/Bitterblossom》スタートの平山。3 ターン目に《樹上の村》でタップインする萩原と、最速《ジェイス・ベレレン》で追加のドローをする平山。まったく容赦がない。
4 ターン目にしてようやく《狼骨のシャーマン》をプレイすることができた萩原は《樹上の村》 2 枚目をプレイしてターンを返すが、平山は《苦花》でフェアリーを量産し、《ジェイス・ベレレン》でドローを追加するというアドバンテージ祭りである。
族系で《眼腐りの終焉》がめくれて狼トークンを戦線に加えた萩原は、アドバンテージ祭りの元凶である《ジェイス・ベレレン》へ向けて《狼骨のシャーマン》をレッドゾーンへ送り込む。しかし、平山は豊富な手札から《苦悶のねじれ》をプレイして《狼骨のシャーマン》を除去してこれを許さない。
《変わり谷》だけが残っている平山の場を確認した萩原は、3 マナで《ハリケーン/Hurricane》をうち、2 体のトークンと《ジェイス・ベレレン》を排除することに成功した。
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しかし、ダブルマリガンの萩原と、《ジェイス・ベレレン》によってドローを重ねていた平山の間に広がった差を埋めることは難しかった。
萩原が狼トークンでアタックすれば、これをフェアリートークンで受け止め、《ウーナの末裔》でサイズを上げて討ち取りを図る平山。萩原が《眼腐りの終焉》で《ウーナの末裔》を除去しようとすれば、そこへ突き刺さる《否認》。
萩原が《台所の嫌がらせ屋》をプレイすれば、そこへ突き刺さる《謎めいた命令》。
これぞ「王者のマジック」といわんばかりに、萩原のプレイを次々と受け流して見せた平山が攻撃に転じたとき、レッドゾーンに送り込まれた攻撃クリーチャーは《変わり谷》とフェアリートークンが 2 体ずつに《ウーナの末裔》、合わせて 12 点。満タンだった萩原のライフは 8 となる。
最後のドローを確認した萩原は、勢いよく右手を差し出して勝者を称えることにした。いま自分に今シーズン 9 度目の一没を記録させた平山の勝利を。
萩原 0-2 平山
「一没の帝王」は、その風格ゆえに帝王と名付けられたのだが、準々決勝を観戦していた友人たちは、彼のことを「一没の貴公子おめでとう!」「さすが貴公子!」と呼び、肩を叩いて健闘を称え、そして慰めていた。なるほど、彼の潔さは、帝王というより貴公子と言った方がいいのかもしれない。
しかし、準々決勝で敗れてばかりとはいえ、その二つ名が付いたルーツをたどれば、少なからぬ回数プレイオフを進出しているという実績がある。となれば、目指すはより彼方である。萩原の来シーズンの健闘を祈ろうではないか。
願わくば、二つ名に恥じない奮迅の働きと、よりすばらしい成績が残せることを。あらたな二つ名で呼ばれん日のことを。
Final Result:平山大輔、準決勝進出!
Unlimitedblade Ver - Hagiwara Noriyuki / LMC Championships 2008 | |
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4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves 4 レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher 4 狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman 4 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks 4 カメレオンの巨像/Chameleon Colossus 3 護民官の道探し/Civic Wayfinder |
3 ハリケーン/Hurricane 2 増え続ける荒廃/Incremental Blight 1 眼腐りの終焉/Eyeblight's Ending 3 叫び大口/Shriekmaw 3 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique 2 枝細工下げの古老/Wickerbough Elder 1 雲打ち/Cloudthresher |
Faerie - Hirayama Daisuke / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 1 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 やっかい児/Pestermite |
2 コショウ煙/Peppersmoke 2 死の印/Deathmark 2 瞬間凍結/Flashfreeze 1 否認/Negate 1 蛇変化/Snakeform 1 夢への委託/Consign to Dream 2 蔓延/Infest 1 思考囲い/Thoughtseize 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore |
グランプリマニラチャンプに輝いたことが記憶に新しい菅谷。
カバレッジの通り、彼は決勝ラウンドにおいて 3 度フェアリーに勝つことで優勝を収めた。
今回のベスト 8 の内 4 人がフェアリーである。グランプリマニラの栄光再びとなるか?
それとも、新進気鋭の桜井が菅谷を仕留めるか?
2人とも 1 bye から連勝してここまで勝ち上がってきている。
勢いも実力も十分だ。果たしてそのゲーム内容は?
ダイスロールで 11 を出した菅谷が先手を取る。
ダイスでいい目を出した反動か、マリガンを選択するものの、マリガン後のハンドはすぐにキープを宣言。
対して桜井はマリガンなく、7 枚のハンドでスタートする。
1 ターン目、《平地/Plains》を置くのみにとどまり、何も展開できない菅谷。
桜井は《島/Island》から《思案/Ponder》をプレイ。シャッフルしないところを見ると、ライブラリーの上はなかなかに強そうである。
2 枚目の《平地》をおいた菅谷は、《皺だらけの主/Wizened Cenn》をプレイ。
これで攻撃を開始し、さらに打点を上げるべく《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を追加しようとするが、これは桜井の《霊魂放逐/Remove Soul》によって場に出させてもらえない。
うまくダメージを抑えている桜井は、3 枚目の土地に《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》をおいて 3 色目を手に入れる。そう、桜井のデッキはエスパーカラーのフェアリーなのだ。
しかし菅谷は意に介さず、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をプレイし、手札を補充しようと画策するが、桜井はこれも《砕けた野望/Broken Ambitions》で退ける。しかもただ退けるだけでなく、激突に勝利したことでライブラリからたたき落とされたのは《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》《幽体の行列/Spectral Procession》《栄光の頌歌/Glorious Anthem》2枚と、非常にカロリーの高いところ。
自らのターンで《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》を置いてターンを返す。
ここまでされても簡単には引かないのが、マニラを制した男の手札。
菅谷は《栄光の頌歌》をプレイし、《皺だらけの主》で攻撃を続ける。
桜井は確かに菅谷の呪文をさばいているが、《皺だらけの主》の攻撃を許し続けている桜井。何か解決策はあるのだろうか?
その桜井は菅谷のエンド時に《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を 2 体場に送り出す。
カウンターする呪文もないのに 2 体も《呪文づまりのスプライト》をプレイする意味は何か?
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その答えは……
《霧縛りの徒党》が場に出たことで大きくクロックを増やせた桜井は、菅谷の《皺だらけの主》とダメージレースを始める。
しかも、《苦花/Bitterblossom》のバックアップを受けて。
大きく削られ始めるライフに、菅谷も負けじと《メドウグレインの騎士》をプレイするが、3 枚目の《呪文づまりのスプライト》に阻まれ、しかも次のターンのアップキープには 2 枚目の《霧縛りの徒党》。
菅谷は土地からマナを浮かせ、トップに賭けるが……そこに解決策はなかった。
桜井 1-0 菅谷
in
2 《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》
out
1 《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》
2 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
in
out
2 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
1 《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》
両者マリガンなくスタートする。
菅谷は先攻の利を生かしたいが、残念ながら今回も 1 ターン目にクリーチャーを展開することはできず、《風立ての高地/Windbrisk Heights》で秘匿するにとどまる。
対して桜井は Game 1 と同じように《霧縛りの徒党》を公開しながら《人里離れた谷間》をアンタップインし、《思案》でドローする。
2 ターン目、菅谷は《メドウグレインの騎士》をプレイし、続くターンに《民兵団の誇り/Militia's Pride》をプレイ、《変わり谷/Mutavault》をおいて《メドウグレインの騎士》で攻撃を開始する。
攻撃クリーチャーを指定されると《民兵団の誇り》からトークンが産み出されるため、桜井は攻撃クリーチャーを指定する前に《恐怖/Terror》で《メドウグレインの騎士》を除去する。
この後、菅谷は全くクリーチャーを展開することができないのだが、《変わり谷》で攻撃するとともに《民兵団の誇り》でトークンを産み出し、桜井のライフを順調に削っていく。
これに対応すべく、桜井は《苦花》をプレイし、毎ターンチャンプブロック要員を製造しようと画策する。
3 ターンの間が空いて、ついに菅谷は《皺だらけの主》をプレイする。
これが場に出れば《民兵団の誇り》による製造能力が倍加するが、待ってましたとばかりに桜井の《霊魂放逐》が突き刺さる。
菅谷は《栄光の頌歌》こそ通して攻撃をしつづけるが、立ちはだかる《苦花》トークン。
この時点で桜井のライフは 10。果たして菅谷はこの 10 点を削りきり、ゲームカウントをイーブンにすることができるだろうか?
防戦一方の桜井だが、2 枚目の《苦花》を追加し、さらにトークンを製造する構えをとる。
と思いきや、菅谷のアップキープに《霧縛りの徒党》をプレイ。(覇権は 2 枚目の《苦花》)
これに対応して菅谷は 7 マナを浮かせてドローに入る。
ドロー後、菅谷はキスキントークンに対して《ひなびた小村/Rustic Clachan》の補強を 2 度使い、残ったマナは《変わり谷》をクリーチャー化することで消費し、4/4 になったキスキントークンで攻撃。
桜井はこれをフェアリートークンでブロックする。
4/4 の飛行クリーチャーを手に入れた桜井が、ついに反撃に移る。
《思案》でドローも進めてターンを渡す。
アップキープに《霧縛りの徒党》もなく自由に動けるターンを得た菅谷は、《変わり谷》をクリーチャー化し、攻撃に移ろうとするが、これには《謎めいた命令》を合わせられ、攻撃できない。
止まらない 4/4 飛行、止められる攻撃、ただひたすら引き続ける土地。
ほどなくして、勝利は桜井にもたらされた。
桜井 2-0 菅谷
Final Result:桜井光、準決勝進出!
Starlight - Sakurai Hikaru / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 2 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique |
1 ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer 4 糾弾/Condemn 4 瞬間凍結/Flashfreeze 3 思考囲い/Thoughtseize 3 蔓延/Infest |
Kithkin - Sugaya Hironobu / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 2 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
3 薄れ馬/Wispmare 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 白粘土の教団/Order of Whiteclay 1 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 2 忘却の輪/Oblivion Ring 2 神の怒り/Wrath of God 2 黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane |
GP マニラチャンピオンの菅谷 裕信がここから登場となった。対するは宮本 寛弥。この千葉で活動するプレイヤー同士の対戦で、互いに顔見知りらしく、対戦前の雰囲気は和やかだ。
デッキは菅谷がキスキン、宮本がドラン。「キスキンと練習してきたんですが、12 戦して 1 勝しかできませんでした」とは宮本の弁だが、その 1 回を、自力で引き当てることはできるだろうか。
ダイスロールで菅谷先攻。
初手のキープに少し時間をかける菅谷。その様子が示すとおり、第 2 ターンの《民兵団の誇り/Militia's Pride》が初動という、キスキンらしくない立ち上がり。宮本は《狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman》からスタートする。
第 3 ターンも《風立ての高地/Windbrisk Heights》に秘匿するだけでターンを返す菅谷に対し、宮本は狼トークンこそ得られないものの、攻撃から《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》と好調そのもの。
デッキの性質とは裏腹に受けに回る展開の菅谷は、アラーラからの新戦力《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をプレイ。《運命の大立者/Figure of Destiny》と、少し考えたのちに《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》を持ってくる。
この選択はどのような意図を隠すのか。
宮本はいぶかしみつつも攻撃、《狼骨のシャーマン》と《イーオスのレインジャー》が相打ちになりつつ、《包囲の搭、ドラン》が重い拳を菅谷に叩きつける。追加戦力は《極楽鳥/Birds of Paradise》。
菅谷は《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》でなんとか押しとどめようとするが、《叫び大口/Shriekmaw》が続き攻撃の手を緩めない。
しょうがない、という風情でブロッカーをならべてターンを返すと、やはり宮本の手から《不敬の命令/Profane Command》が現れたのだった。
菅谷 0-1 宮本
なお、試合後に聞いたところによると、菅谷が《ブレンタンの炉の世話人》を持ってきた理由は、「《炎渦竜巻/Firespout》を警戒した」とのことであった。
両者は考えつつ盛んなサイドボーディング。
引き続いて菅谷の先攻。
今度は悩まずにキープした菅谷だったが、《風立ての高地》をプレイして 4 枚めくると苦笑。続けて《皺だらけの主/Wizened Cenn》からの初動となった。宮本は《思考囲い/Thoughtseize》で探りを入れる。
《損ない/Unmake》《皺だらけの主》《幽体の行列/Spectral Procession》、平地 2 枚が公開され、《幽体の行列》が墓地へ。もちろん 2 枚目の《皺だらけの主》が展開されて攻撃、宮本のライフは 15 となった。
そして続く戦力は苦笑いしながらの……《皺だらけの主》、3 枚目。《外身の交換/Crib Swap》で 1 体除去しても、「結局出てくるのはキスキン」(宮本)なので勢いは止められない。
宮本は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》からトークンを出して耐えようとするが、3体のキスキンの攻撃から《風立ての高地》起動で現れたのは、やっぱり《遍歴の騎士、エルズペス》。
これで対消滅。ライフは 6。しかも《損ない》を構えられては……ブロッカー 2 体では足りないのであった。
菅谷 1-1 宮本
今度は宮本先攻で、第 2 ターン《極楽鳥》の立ち上がり。
菅谷は《風立ての高地》を連続でセット、2 枚目の秘匿を選ぶところで苦笑し「面白くなってきたよー」。ウィニーとしては遅い始動だが、後の楽しみは見える、といったところか。
今のうちに、と宮本は《樹上の村/Treetop Village》で先を取る。菅谷の初クリーチャー《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》も《叫び大口》で除去して手を緩めない。
菅谷は《イーオスのレインジャー》で《運命の大立者》 2 枚を持ってきて、物量で勝つ姿勢。これに対し、宮本は《叫び大口》だけで攻撃し、2 枚目の《樹上の村》を置く。
菅谷は 1 枚目の《運命の大立者》をプレイしてから攻撃し、《イーオスのレインジャー》で攻撃。宮本は何もしない。菅谷は 2 枚目の《運命の大立者》をプレイして終了。このあたりは探り合いか。
《叫び大口》の攻撃は続行され菅谷ライフ 11。宮本は追加戦力として《レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher》を「5 マナで」プレイ。ターン終了時に2体の《運命の大立者》が 2/2 へと「出世」した。
ターンが返ってきて、菅谷は慎重にダメージ計算に入る。
そして意を決して 3 体で攻撃。宮本はライフ17とまだ余裕があるが、《レンの地の克服者》で《運命の大立者》の片方を、《イーオスのレインジャー》には《極楽鳥》をチャンプブロックにあてる。
3 体で攻撃したので、《風立ての高地》の条件を満たす。そこから《雲山羊のレインジャー》が現れて、盤面的にはやや盛り返したか。
宮本は《叫び大口》で菅谷のライフを8に減らすと、《神の怒り/Wrath of God》で一度場を平たくする。
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だが、ここでもう一度《イーオスのレインジャー》。またも《運命の大立者》を 2 枚持ってきて、これの一方と《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》を場に並べる。一気に戦力が復活した。
仕方なく、宮本は《樹上の村》を守りに回すが、菅谷は全軍攻撃。《ゴールドメドウの重鎮》は失うものの、これで形勢は逆転の格好だ。
続いて手札から《メドウグレインの騎士》が、そして《風立ての高地》から《遍歴の騎士、エルズペス》、さらにトークンが出てくる。この厚みが今のキスキンの持ち味。
宮本は逆転を期してターンエンドに《雲打ち/Cloudthresher》をプレイ。その能力で菅谷のライフは 6。《不敬の命令》さえあれば。
しかし、残念ながらそれはなく、宮本は普通に攻撃、菅谷はチャンプブロック。
宮本は手札にある 2 枚目の《雲打ち》で耐えられるという判断だったが、8/8 まで成長した《運命の大立者》と《遍歴の騎士、エルズペス》で飛行を得た《メドウグレインの騎士》の大型飛行クリーチャーを前に、《雲打ち》を出すと最後の 1 ライフがなくなってしまうという事態なのであった。
菅谷 2-1 宮本
宮本としては《神の怒り》で流して土地クリーチャーが残る、という戦略なのだが、それを阻んだのが 2 種類のレインジャー。
「《イーオスのレインジャー》はやってることは《雲山羊のレインジャー》と一緒」とのこと。どちらも 1 枚で《風立ての高地》を満たすので、相性もよい。
今後のキスキンを支えるカードになりそうだ。
Final Result:菅谷 Wins!
Kithkin - Sugaya Hironobu / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 2 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
3 薄れ馬/Wispmare 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 白粘土の教団/Order of Whiteclay 1 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 2 忘却の輪/Oblivion Ring 2 神の怒り/Wrath of God 2 黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane |
Doran Deck Wins - Miyamoto Hiroya / LMC Championships 2008 | |
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4 極楽鳥/Birds of Paradise 4 レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher 3 狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman 4 潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler 4 包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower 4 カメレオンの巨像/Chameleon Colossus 2 叫び大口/Shriekmaw |
3 至福の休息/Recumbent Bliss 3 思考囲い/Thoughtseize 2 神の怒り/Wrath of God 3 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique 2 雲打ち/Cloudthresher 2 薄れ馬/Wispmare |
Unlimitedblade Ver - Hagiwara Noriyuki / LMC Championships 2008 | |
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4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves 4 レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher 4 狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman 4 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks 4 カメレオンの巨像/Chameleon Colossus 3 護民官の道探し/Civic Wayfinder |
3 ハリケーン/Hurricane 2 増え続ける荒廃/Incremental Blight 1 眼腐りの終焉/Eyeblight's Ending 3 叫び大口/Shriekmaw 3 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique 2 枝細工下げの古老/Wickerbough Elder 1 雲打ち/Cloudthresher |
Kimo-Kin - Shoji Kenta / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 3 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
4 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 目覚ましヒバリ/Reveillark 1 外身の交換/Crib Swap 1 損ない/Unmake 3 神の怒り/Wrath of God 1 変わり谷/Mutavault |
Faerie - Mihara Makihito / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 3 誘惑蒔き/Sower of Temptation |
1 ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer 3 死の印/Deathmark 2 鎖の呪い/Curse of Chains 2 コショウ煙/Peppersmoke 3 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren 2 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore 2 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique |
Starlight - Sakurai Hikaru / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 2 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique |
1 ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer 4 糾弾/Condemn 4 瞬間凍結/Flashfreeze 3 思考囲い/Thoughtseize 3 蔓延/Infest |
Kithkin - Sugaya Hironobu / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 2 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
3 薄れ馬/Wispmare 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 白粘土の教団/Order of Whiteclay 1 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 2 忘却の輪/Oblivion Ring 2 神の怒り/Wrath of God 2 黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane |
Red Deck Wins - Takasaki Yuichi / LMC Championships 2008 | |
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4 モグの狂信者/Mogg Fanatic 4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger 4 ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang 4 復讐の亜神/Demigod of Revenge |
4 ゴブリンの突撃/Goblin Assault 2 恒久の拷問/Everlasting Torment 2 粉々/Smash to Smithereens 4 恨み唸り/Spitebellows 3 ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger |
UB Faerie - Suto Takuo / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 4 ウーナの末裔/Scion of Oona |
4 瞬間凍結/Flashfreeze 3 死の印/Deathmark 3 コショウ煙/Peppersmoke 3 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 2 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique |
Faerie - Hirayama Daisuke / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 1 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 やっかい児/Pestermite |
2 コショウ煙/Peppersmoke 2 死の印/Deathmark 2 瞬間凍結/Flashfreeze 1 否認/Negate 1 蛇変化/Snakeform 1 夢への委託/Consign to Dream 2 蔓延/Infest 1 思考囲い/Thoughtseize 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore |
さて、スイスラウンド最終戦。人数に対して、8 ラウンドという長丁場ゆえに、多くのプレイヤーが対戦前にトップ 8 を確定させている。
そんな中で、「最低勝利条件、勝ってオポ勝負」の崖っぷちマッチを紹介しよう。
増野 良輔が「今日、結局フェアリーとクイッケンしか当たってないんですけど」というように、平山 大輔のデックは、青黒フェアリー。
すでに年間ポイントレースで 2 位の「魔王」三原 槙仁がトップ 8 進出を決めているだけに、なんとか粘りきりたい増野。一方の平山も、是非ともここで勝利し、トップ 8 に向けての最低条件をクリアしたいところ。
果たして、スイスラウンド最後のフィーチャリングを制するのはどちらか。
後手の増野がマリガン。
《運命の大立者/Figure of Destiny》をキャストし、2 ターン目には《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を追加するという展開。
対して、平山も 2 ターン目に《苦花/Bitterblossom》というフェアリーの理想。
増野が「残念な 1 枚」といいながらキャストしたのは、本日結局一度もその真価を発揮していない《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》。これを《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》で打ち消し、懸念材料だった 4 枚目の土地を引いた平山は、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》で増野の展開を著しく遅らせる。
そして平山は《ウーナの末裔/Scion of Oona》でクロックを加速する。
増野も、なんとか次のターンがくればライフを削れる可能性を残してすべてのクリーチャーで攻撃をし、平山のライフを削る。
増野が「お願いします!」といいながらキャストした《損ない/Unmake》を《呪文づまりのスプライト》することで、増野に次のターンはこなかった。
増野 0-1 平山
先手の増野は、マリガンしながらも、《運命の大立者》をみせながら《ゴールドメドウの重鎮》というスタート。
しかし、増野が 2 ターン目に《運命の大立者》をキャストしつつ残した土地は《変わり谷》。ここに来て明らかに色マナに困っているのが見て取れる。
平山はまたも 2 ターン目に《苦花》。増野は「しったことかぁ」と絶叫しつつ《変わり谷》を含めた 3 体の 2/2 でアタックし、平山のライフを 12 まで削り落とす。
平山は《死の印/Deathmark》で《運命の大立者》を除去。《ゴールドメドウの重鎮》による攻勢をフェアリートークンで耐え続ける。
増野は《幽体の行列/Spectral Procession》で一気に援軍を送り込みたいが、これは《謎めいた命令/Cryptic Command》で成せず。さらに《民兵団の誇り/Militia's Pride》も《謎めいた命令》。だが、これをおとりとした《メドウグレインの騎士》を場に追加することには成功する。
この時点で平山のライフは 6。
《苦花》による死が見えてきているが、平山が場に送り込んだのは《剃刀毛のマスティコア》。
さらに追加で《霧縛りの徒党》を引き当て、《苦花》を派遣することで、増野のトップ 8 の可能性は失われてしまったのだった。
増野 0-2 平山
こうして、なんとかマッチパーセンテージ勝負まで持ち込むことに成功した平山は、見事トップ 8 入りを果たす。
そして、ここで増野がトップ 8 入りを果たさなかったことと、三原がトップ 8 に入賞したことで、年間ポイントレースはまだまだわからなくなった。
三原が準優勝以上で逆転劇を果たすことになるのだ。
こちらの動向にも注目しつつ、決勝ラウンドを楽しみにしたい。
Final Result:平山 Wins!
It is become Brute of Sea. - Masuno Ryosuke / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 3 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 2 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 4 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos |
2 忘却の輪/Oblivion Ring 2 民兵団の誇り/Militia's Pride 1 鏡編み/Mirrorweave 3 神の怒り/Wrath of God 3 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 2 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 薄れ馬/Wispmare |
Faerie - Hirayama Daisuke / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 1 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 やっかい児/Pestermite |
2 コショウ煙/Peppersmoke 2 死の印/Deathmark 2 瞬間凍結/Flashfreeze 1 否認/Negate 1 蛇変化/Snakeform 1 夢への委託/Consign to Dream 2 蔓延/Infest 1 思考囲い/Thoughtseize 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation 1 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore |
さて、現在のメタゲームを考えれば、当たり前の話なのかもしれないが、ここまでのフィーチャリングのほとんどのマッチでフェアリーとキスキンが紹介されている。
これはこれで、情報としての価値があるのかもしれないが、しかし、偏りを考慮して、ここでは別のアーキタイプを紹介したいと思う。
まず「一没の帝王」萩原 紀幸が使用するのは、黒緑エルフだ。
アラーラで得たものがほとんど無いことにより、クローズアップされることがほとんど無い黒緑エルフだが、「もう終わった他のデッキを使った方がいい」デックというわけでもなく、萩原の様に愛好しているプレイヤーも少なくない。とはいえ、最近ではむしろ《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》デックに浮気するプレイヤーも少なくないので、ここでは是非萩原に黒緑エルフの啓蒙活動を続けていただきたいところだ。
対して、宇美 博一が使用するのは、会場に遊びに来ている真木 孝一郎もオススメのバントビートダウンデック。
全体的な構成としては、浅原 晃が紹介していた《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》+《セファリッドの警官/Cephalid Constable》デックと、清水 直樹が紹介していた《岸砕きのミミック/Shorecrasher Mimic》+《数多のラフィーク /Rafiq of the Many》 デックをハイブリッドしたような、なんともワクワク感あふれるデックなのだが、なんとビックリドッキリカードによる独自の味付けをしてあるというので是非とも期待したい。
「一没の帝王」のふたつ名の裏返しで、一没だけで 2 Bye を獲得できるほど LMC のスイスラウンドでは無類の強さを誇っている萩原。
宇美のビックリドッキリカードは萩原にが決勝ラウンドで負けるのではなく、フィーチャリングテーブルで負けるという新しいジンクスを与えることができるのか。
後手の宇美がマリガン。
萩原が《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》、宇美が《極楽鳥/Birds of Paradise》とお互いマナクリーチャーから展開するスタート。
そして、萩原が 2 ターン目に《思考囲い/Thoughtseize》。宇美の手札は
という内容。ここから萩原は《ロウクスの戦修道士》をディスカードさせて《狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman》をキャストする。しかし、続いての宇美のキャストしたスペルは《ロウクスの戦修道士》。
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ここで萩原は《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》を場に追加するのだが、しかし宇美のビックリドッキリカード《見下し/Tower Above》によって《カメレオンの巨像》は除去されてしまう。
場を掌握しかけたにもかかわらず、ここで土地が止まってしまった宇美。手札の《遍歴の騎士、エルズペス》を働かせないためにも、萩原は《不敬の命令/Profane Command》で《極楽鳥》を除去する。
この戦術が見事にヒットし、宇美は 2 枚の《遍歴の騎士、エルズペス》に《暗悪鬼のしもべ》という手札を抱えたままとなる。
この隙に、萩原は《狼骨のシャーマン》で陣営を厚くしつつ、攻め手として《カメレオンの巨像》を用意する。宇美は《カメレオンの巨像》が殴りはじめたターンに《見下し》をドローし、「タイミング悪いなぁ」といいつつ、再び大量のライフを獲得する。
萩原 「全然ライフへらねー」
というのももっともで、《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》がパンプアップしながらアタックしているのに、宇美のライフは 19 なのだ。
しかし、《暗悪鬼のしもべ》に必要な 5 枚目のマナソースも、《遍歴の騎士、エルズペス》に必要な 2 枚目の白マナも手に入れられないまま、宇美は 2 枚の《暗悪鬼のしもべ》に3枚の《遍歴の騎士、エルズペス》というフルハウス状態になってしまうのであった。
萩原 1-0 宇美
先手の宇美は、またも色マナに困らされそうな手札を小考の後にキープする。
対して、萩原は序盤からプレッシャーを与えにくい重めの手札を嫌いマリガンする。
萩原 「いつもの LMC ならキープするんだけどなぁ……」
宇美 「いつも通りにやった方がいいですよ」
結果、マリガン後の手札は土地が 1 枚に 2 マナ以上のスペルのみという手札だったため、再びマリガン。
続く 5 枚の手札は、2 枚の《変わり谷/Mutavault》があるものの、すべてが土地。仕方なくこれをキープし、ゲームスタート。
宇美は、《ラノワールのエルフ》からスタートするものの、2 ターン目に土地をひけず、2 マナで《岸砕きのミミック》をキャスト。
この《岸砕きのミミック》は《変わり谷》と相打つものの、2 枚目の土地を引き入れた宇美が場に送り込んだのは《セファリッドの警官》。
《変わり谷》をセットすることで、なんとか《セファリッドの警官》によるハメを回避し、《不敬の命令》で《セファリッドの警官》には通報は誤報と伝える。
しかし、ついに《低木林地/Brushland》で白マナにアクセスすることが可能となった宇美の《ロウクスの戦修道士》からの《数多のラフィーク》という展開に、なおも土地を引き続ける萩原には対処する手段は無かったのだった。
萩原 1-1 宇美
後手の宇美がマリガン。
萩原は《レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher》から、宇美の《ラノワールのエルフ》を《名も無き転置/Nameless Inversion》で除去しつつアタックし、さらに《カメレオンの巨像》を追加する。
《樹上の村/Treetop Village》で一度攻撃はしているものの、頼りの《数多のラフィーク》を《叫び大口/Shriekmaw》で除去されてしまっては、宇美には土地を片付ける以外の選択肢が残されていなかった。
萩原 2-1 宇美
やはり、3 色デックの宿命か、色マナトラブルに泣かされることとなった宇美だったが、《見下し》はかなりおもしろい選択肢なので、同様のアーキタイプを構築している方にはぜひお試しいただきたい。
Final Result:萩原 Wins!
Unlimitedblade Ver - Hagiwara Noriyuki / LMC Championships 2008 | |
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4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves 4 レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher 4 狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman 4 台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks 4 カメレオンの巨像/Chameleon Colossus 3 護民官の道探し/Civic Wayfinder |
3 ハリケーン/Hurricane 2 増え続ける荒廃/Incremental Blight 1 眼腐りの終焉/Eyeblight's Ending 3 叫び大口/Shriekmaw 3 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique 2 枝細工下げの古老/Wickerbough Elder 1 雲打ち/Cloudthresher |
Taiho - Umi Hirokazu / LMC Championships 2008 | |
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4 極楽鳥/Birds of Paradise 4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves 4 数多のラフィーク/Rafiq of the Many 4 岸砕きのミミック/Shorecrasher Mimic 4 ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk 4 セファリッドの警官/Cephalid Constable 2 暗悪鬼のしもべ/Murkfiend Liege |
3 最下層民/Pariah 2 謎めいた命令/Cryptic Command 3 ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec 2 剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore 2 薄暮の大霊/Oversoul of Dusk 2 薄れ馬/Wispmare 1 雲打ち/Cloudthresher |
Bye の恩恵もあるが、ここまで無敗のプレイヤーの対決。
東海林は秋葉原にある「ホビーステーション」のスタッフを務めており、仙波もそこでの大会「AKB 杯」の常連ということで、「千葉だけど秋葉原対決」の趣である。
ここでの白星は、Top 8 を決める大きなものになる。デッキは東海林がキスキン、仙波がフェアリーである。
ダイスロールで先攻を得た仙波だが、初手を見てしばし熟考。結局はキープとなる。東海林も静かにキープ宣言。
《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》スタートの仙波に対し、東海林は《運命の大立者/Figure of Destiny》からこれを 2/2 にして攻撃、《風立ての高地/Windbrisk Heights》に秘匿して立ち上がりを終える。
第 3 ターンの終了時に仙波は《ウーナの末裔/Scion of Oona》を送り込み、タップアウトしたタイミングで少し考えて含みを残しつつ、《運命の大立者》を4/4へ。このあたりは場ではなく、手札を見据えた虚々実々のやりとり。
仙波は《思案/Ponder》でプランを練りつつ攻撃、《人里離れた谷間/Secluded Glen》をプレイして公開は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》。これで静かにプレッシャーを。東海林の《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》には、《霊魂放逐/Remove Soul》を合わせる。
ここまで静かなやりとりだったが、「まだ予選だし楽しくやりましょうよ」という言葉が交わされたりと、雰囲気が少し和らぐ。それでも少しだけ張り詰めた、いい空気がある。
仙波は《ウーナの末裔》で攻撃、《変わり谷/Mutavault》を置く。
東海林の《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》は通り、仙波はターン終了時に《呪文づまりのスプライト》を「戦力として」追加。
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《雲山羊のレインジャー》の前に攻撃の手を止めた仙波に、東海林はその《雲山羊のレインジャー》とキスキントークン 3 体で攻撃宣言。仙波が《変わり谷》をクリーチャー化して、《呪文づまりのスプライト》とでそれぞれトークンをブロックすると、《風立ての高地》から《皺だらけの主/Wizened Cenn》が登場。これでトークンが強化されて、《呪文づまりのスプライト》は相打ち。《変わり谷》は 3/3 なので残る。
続けて《損ない/Unmake》を《ウーナの末裔》に放ち、さらなるアドバンテージを得ようとする東海林だったが、それはもう 1 枚あった《呪文づまりのスプライト》で阻まれる。《風立ての高地》の 2 枚目をプレイし、秘匿して終了。
仙波は改めて攻撃に入る。《呪文づまりのスプライト》、《ウーナの末裔》、《変わり谷》。この結果、東海林のライフは9になるが、仙波のライフも 6 と少ない。それを守るべく、《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》と、2 枚目の《変わり谷》をブロック要員に残す。
東海林も全軍攻撃。これに対し、《変わり谷》《フェアリーの集会場》で 2/2 のトークンと《皺だらけの主》をブロックして相打ち。《雲山羊のレインジャー》は通して仙波のライフ 3 で踏みとどまる。
しかし土地クリーチャーは隙も作る。戦闘終了後に 2 枚目の《損ない》がプレイされて、《ウーナの末裔》とともに《変わり谷》を失う仙波。
さらに東海林は《風立ての高地》から《幽体の行列》、手札から《メドウグレインの騎士》と連打。
《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で《メドウグレインの騎士》を奪うが、これで手札を使い切って、仙波はまな板の上の鯉。
そこに、東海林は 3 枚目の《損ない》を抱えていた。
東海林 1-0 仙波
仙波はマリガンスタートだが、第 2 ターンの《苦花/Bitterblossom》。対する東海林は《運命の大立者》の 2/2 攻撃から《風立ての高地》と、先ほどと同じ展開。
そして第 3 ターンには《幽体の行列》、これを邪魔できない仙波は小声で「負けたー」と苦しい表情。
だが《運命の大立者》は《鎖の呪い/Curse of Chains》をつけて対処、出てきたトークンでスピリットを相打ちにとる。
続く《メドウグレインの騎士》にも《呪文づまりのスプライト》。東海林は《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》を追加。
続くターンの《メドウグレインの騎士》(2 枚目)も、《鎖の呪い》(やはり 2 枚目)でさばき、攻勢を押しとどめようとする。
この時点で、東海林には(《鎖の呪い》がついているものを除いて)《ゴールドメドウの重鎮》とスピリット・トークン 2 体、仙波には《呪文づまりのスプライト》とフェアリー・トークン 2 体。
ライフが減っていく仙波は、守ってばかりもいられないため、今出てきた 3 体目のトークンを残して全軍攻撃。
東海林は《ゴールドメドウの重鎮》とスピリット・トークン 2 体で攻撃、フェアリーとスピリットが 1 組相打ちに。
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攻撃を終了した東海林だったが、小声で「しまった」。見ると、《風立ての高地》から出てきたのは《皺だらけの主》。確かに、通っていればダメージが 1 点増えていたが、これは《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターされることに。もうひとつのモードは 1 枚ドローが選ばれる。
気づくと、仙波のライフは 6 しかない。物量こそ《苦花》で間に合っているが、《ウーナの末裔》がない分サイズに欠け、残された時間は少ない。
仙波はトークンを2体残して攻撃、東海林のアップキープに《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》。土地を寝かせて動きを封じて時間を稼ぐ。覇権で取り除くのは《呪文づまりのスプライト》。
4/4 のサイズによって攻撃をいったん押しとどめたが、座していても敗北を待つだけの仙波は攻撃を続行する。
だが、東海林は 2 枚目の《幽体の行列》を通して物量を回復。こうなると、攻撃すれば返すターンに負けてしまう仙波は防御に回らざるしかない。
そして、東海林のトークン攻勢によって条件を満たした《風立ての高地》から飛んでくる《損ない》。
これで《霧縛りの徒党》を失った仙波は、ライフが 0 になる前に勝ちきる手段をも失ってしまったのだった。
東海林 2-0 仙波
Final Result:東海林 Wins!
Kimo-Kin - Shoji Kenta / LMC Championships 2008 | |
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4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 3 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 2 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
4 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 2 目覚ましヒバリ/Reveillark 1 外身の交換/Crib Swap 1 損ない/Unmake 3 神の怒り/Wrath of God 1 変わり谷/Mutavault |
Starlight Braker - Senba Koutaro / LMC Championships 2008 | |
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4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 3 ウーナの末裔/Scion of Oona 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation 2 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 1 ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique |
3 瞬間凍結/Flashfreeze 3 鎖の呪い/Curse of Chains 3 思考囲い/Thoughtseize 2 蔓延/Infest 2 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren 2 くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique |
一部のプレイヤーの間で“Lord of Magic”と呼ばれていた大会は、その姿を変えて、始まりの地でひっそりと生まれ変わった。過去一年間の LMC でプレイオフ進出を果たしたプレイヤーだけが参加できる招待イベント LMC Championships は、LMC に参加しているプレイヤーにとって、いつしか参加したい目標となっていった。
プロプレイヤーもアマチュアも条件が変わらない、シンプルなハードルを越えた 87 名の猛者が、いつもの千葉市民会館に集まった。あるものはいつものデッキで、あるものは新兵器で、いまから始まる 8 ラウンドに渡る過酷な戦いを前に、静かに始まりの刻を待っている。そう、今日のフォーマットはスタンダード。戦い慣れたいつもの環境なのだ。
笑いが絶えないトーナメントだが、真剣勝負は楽しみたい。
より楽しく、よりおもしろく、そして、すばらしい戦いを。
いつものプレイヤーの中で、誰がいちばん強いのだろう。初代 Championships 王者に輝くのは誰なのか。今夜、それが明らかになる。
]]>ここまで Bye なしからキスキンを使い全勝で駆け抜けてきた田浦に立ちはだかるのは、3bye 明けのマッチアップを見事制し、全勝対決に参入してきた秋山貴志である。駆るデッキは青黒フェアリー。
勝利を収めるのは勢いのある田浦か、それとも強豪秋山か?
両者マリガンなく、先手を取った田浦の《運命の大立者/Figure of Destiny》からゲームスタート。
これに対して秋山は《思案/Ponder》でシャッフルを選択し、ライブラリーをリフレッシュする。
《運命の大立者》で攻撃を開始した田浦はこれをサイズアップせず、場に《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を追加する。
秋山 「コントロール相手なら強いからキープしたんだけどなー」
とぼやきながら《沼/Swamp》をセットし、《思考囲い/Thoughtseize》をプレイ。田浦の手札にあった《幽体の行列/Spectral Procession》を落とす。
秋山が場に干渉していない今こそ攻め時、田浦は《皺だらけの主/Wizened Cenn》で全体強化し、秋山のライフを一気に削る。
さらに《変わり谷/Mutavault》をセットして先手十分である。
なんとかして解決手段を手に入れたい秋山は《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をプレイ、2 番目の能力でドローを進めるが、返したターン、《皺だらけの主》の攻撃で《ジェイス・ベレレン》は短い生涯を終えることとなる。
田浦の攻勢は止まらない。
1 度は《謎めいた命令/Cryptic Command》で田浦の攻撃をしのぐものの、場に出てしまった大量のキスキンを処理する手段は、秋山にもたらされなかった。
秋山 0-1 田浦
両者難しい顔をしつつもオープニングハンドをキープ。
秋山が《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を公開しつつ《人里離れた谷間/Secluded Glen》をアンタップインしてターンを渡す。
田浦は平地から《メドウグレインの騎士》を公開して《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》をプレイ、2ターン目から攻撃に移り、《メドウグレインの騎士》を追加するが、これは秋山の唱えた《苦悶のねじれ/Agony Warp》によって墓地へと送られる。
秋山は 3 枚目のセットランドに《変わり谷》を置いてターン終了。
《ゴールドメドウの重鎮》の攻撃を受けつつも、田浦のプレイした2枚目の《メドウグレインの騎士》は《変わり谷》と《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》の合わせ技でカウンターする秋山。
思うようにクリーチャーを展開できずに苦しい田浦は《風立ての高地/Windbrisk Heights》を置いて終了。
4 ターン目、滞ることなくセットランドしてきた秋山は、ゲーム開始直後に見せた《霧縛りの徒党》をプレイすることのできるマナを手に入れた。
田浦はそれを知りつつも、展開しなくては勝てないと《ゴールドメドウの重鎮》《皺だらけの主》とプレイ。
これでフルタップになった田浦、待ってましたとばかりに秋山が《霧縛りの徒党》をプレイする。(覇権は《呪文づまりのスプライト》)
強力なクリーチャーを得た秋山はまず《思案》で《死の印/Deathmark》を手に入れて《皺だらけの主》を除去し、《霧縛りの徒党》をレッドゾーンへと送り出し、田浦の《ゴールドメドウの重鎮》 2 体と殴り合う。
田浦のターン終了時、秋山は《ウーナの末裔/Scion of Oona》をプレイ。田浦はこれにレスポンスして《損ない/Unmake》を《霧縛りの徒党》に打ち込み、除去に成功。不利になりそうになる場を賢明に自分に引き戻そうとする。
しかし、田浦の反撃もここまで。
秋山は戻ってきた《呪文づまりのスプライト》と《ウーナの末裔》で攻撃。その後、田浦のアップキープに 2 枚目の《霧縛りの徒党》をプレイしてマナを縛る。
《ウーナの末裔》と《霧縛りの徒党》で田浦のライフを6まで落とし込むと、田浦の渾身の《幽体の行列》を《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターし、ゲームカウントをタイに戻した。
秋山 1-1 田浦
サイドボード中、秋山は隣に来た友人にサイドボード指南をしていた。
「抜くものに悩んだら《思案》を抜け!!」
とのことである。
みなさんも悩んだら《思案》を抜いてはいかがだろう。
ふたたび先手となった田浦。テイクマリガン後に仕方ない、といった様子で 6 枚の手札のキープを選択。対する秋山は悩むことなくキープ。
ビートダウンデッキに重要な「1 ターン目スタート」ができない田浦を、秋山の「2 ターン目スタートに刺さる《思考囲い》!!」が襲う。
|
公開された田浦の手札は……
平地 3 枚、《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》、《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》。
当然秋山は唯一のクリーチャーである《静月の騎兵》を抜き、《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》を置いて田浦にターンを渡す。
順調な秋山に対し、田浦は泣く泣く今引きの《風立ての高地》をセット。どうやらクリーチャーを引き込めなかったようだ。
秋山は 3 ターン目に《静月の騎兵》をプレイし、田浦に攻撃を開始する。
4 マナに到達した田浦は《黄金のたてがみのアジャニ》で 2 点ずつライフを増やし、解決策を引き込むための時間を稼ぎ、まずは《ゴールドメドウの重鎮》をプレイ。
しかし、これは秋山の《呪文づまりのスプライト》に阻まれる。
増えたクロックで《黄金のたてがみのアジャニ》の忠誠カウンターを削っていく秋山は、激減した田浦の手札に《思考囲い》を突き刺し、《損ない》を引き抜き、残りの手札を平地 1 枚にする。
このターンも何も引き込めなかった田浦に、秋山の《霧縛りの徒党》が襲いかかる。(覇権は《呪文づまりのスプライト》)
さらに続くターンで《ウーナの末裔》を追加した秋山は、田浦の抵抗をすべて封じ、投了へと追い込んだのだった。
秋山 2-1 田浦
Final Result:秋山 Wins!
Faerin - Akiyama Takashi / LMC Championships 2008 | |
---|---|
4 呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite 4 霧縛りの徒党/Mistbind Clique 4 ウーナの末裔/Scion of Oona 2 誘惑蒔き/Sower of Temptation |
3 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 2 ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer 4 コショウ煙/Peppersmoke 3 瞬間凍結/Flashfreeze 2 死の印/Deathmark 1 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren |
Lark - Taura Ryuji / LMC Championships 2008 | |
---|---|
4 運命の大立者/Figure of Destiny 4 皺だらけの主/Wizened Cenn 4 ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart 4 メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain 3 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid 2 雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger 1 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 1 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender |
3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender 3 静月の騎兵/Stillmoon Cavalier 3 目覚ましヒバリ/Reveillark 3 神の怒り/Wrath of God 2 黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane 1 変わり谷/Mutavault |
Rank | Player | Points | OMW% |
1 | Hagiwara, Noriyuki | 22 | 70.1389% |
2 | Shoji, Kenta | 20 | 65.1042% |
3 | Mihara, Makihito | 19 | 70.8333% |
4 | Sakurai, Hikaru | 19 | 69.7109% |
5 | Sugaya, Hironobu | 19 | 64.8810% |
6 | Takasaki, Yuichi | 19 | 63.7500% |
7 | Suto, Takuo | 19 | 62.1429% |
8 | Hirayama, Daisuke | 19 | 58.3333% |
9 | Yamauchi, Kazushi | 19 | 52.3958% |
10 | Senba, Koutaro | 18 | 71.6667% |
11 | Taura, Ryuji | 18 | 60.9375% |
12 | Tamura, Youhei | 18 | 59.1667% |
13 | Mori, Masatake | 18 | 56.6220% |
14 | Yoshimori, Sho | 18 | 56.2500% |
15 | Okamoto, Masahiro | 18 | 55.7143% |
16 | Higashi, Takao | 17 | 61.9792% |
17 | Bando, Junichiro | 17 | 60.1190% |
18 | Umi, Hirokazu | 15 | 74.5833% |
19 | Akiyama, Takashi | 15 | 73.3333% |
20 | Kadota, Shinichi | 15 | 68.7500% |
21 | Yanagida, Yuya | 15 | 67.3611% |
22 | Miyamoto, Hiroya | 15 | 67.1627% |
23 | Masuno, Ryosuke | 15 | 66.6667% |
24 | Ohta, Yusuke | 15 | 64.3849% |
25 | Mitamura, Kazuya | 15 | 63.3333% |
26 | Arita, Ryuichi | 15 | 61.9792% |
27 | Kase, Masahito | 15 | 59.9490% |
28 | Ogawara, Youhei | 15 | 59.3750% |
29 | Tabe, Keita | 15 | 58.1349% |
30 | Hattori, Taiki | 15 | 54.5918% |
31 | Urasawa, Taiji | 15 | 53.5714% |
32 | Hoshi, Kazuto | 15 | 51.5625% |
33 | Suzuki, Taiki | 15 | 50.0000% |
34 | Arakane, Daisuke | 14 | 60.4167% |
35 | Imamura, Hirotaka | 13 | 58.9286% |
36 | Naruke, Takamitsu | 13 | 55.7292% |
37 | Tada, Kouhei | 12 | 62.9252% |
38 | Hosono, Masahisa | 12 | 60.7143% |
39 | Taira, Shunichi | 12 | 56.9792% |
40 | Watanabe, Ryuji | 12 | 56.7708% |
41 | Takasugi, Ryota | 12 | 55.5556% |
42 | Igarashi, Jun | 12 | 55.2083% |
43 | Yamada, Shintaro | 12 | 53.8690% |
44 | Suzuki, Sadao | 12 | 52.2917% |
45 | Kohigashi, Akira | 12 | 50.5208% |
46 | Sugiyama, Kenji | 12 | 50.3401% |
47 | Haze, Takashi | 12 | 50.0000% |
48 | Nakamichi, Daisuke | 12 | 49.6599% |
49 | Imai, Ayato | 12 | 46.7262% |
50 | Goto, Kousuke | 12 | 45.3125% |
51 | Murakami, Kouhei | 11 | 46.5625% |
52 | Fujisawa, Masashi | 10 | 46.8750% |
53 | Takeda, Harunobu | 10 | 45.8333% |
54 | Takagi, Takayuki | 9 | 66.6667% |
55 | Uchida, Kenji | 9 | 66.6667% |
56 | Fujimoto, Yousuke | 9 | 62.9960% |
57 | Kanazawa, Ayanobu | 9 | 62.0000% |
58 | Miyauchi, Makoto | 9 | 60.0000% |
59 | Ueki, Junichi | 9 | 55.9524% |
60 | Inose, Katsuya | 9 | 54.8148% |
61 | Suzuki, Yuji | 9 | 54.1667% |
62 | Hashimoto, Yu | 9 | 51.6667% |
63 | Osada, Masahiro | 9 | 45.6845% |
64 | Ikuta, Kenichiro | 9 | 45.1637% |
65 | Oikawa, Masafumi | 9 | 43.7500% |
66 | Noiri, Shota | 9 | 42.0238% |
67 | Yamamoto, Sadaaki | 8 | 47.9167% |
68 | Yoshino, Eiichi | 8 | 42.8571% |
69 | Kitagawa, Norio | 6 | 64.5833% |
70 | Watabiki, Takahito | 6 | 60.6667% |
71 | Miura, Satoru | 6 | 58.3333% |
72 | Arai, Kenichiro | 6 | 52.0833% |
73 | Endo, Akiteru | 6 | 51.0204% |
74 | Furuya, Kazuyuki | 6 | 47.6190% |
75 | Saishu, Hiroaki | 6 | 46.4137% |
76 | Sato, Kanata | 6 | 46.2963% |
77 | Ooishi, Kenji | 6 | 40.4762% |
78 | Tsuboyama, Shuta | 4 | 39.1667% |
79 | Yanagihara, Hiroki | 3 | 72.2222% |
80 | Yamauchi, Takashi | 3 | 52.7778% |
81 | Hosono, Tsunehisa | 3 | 50.6667% |
82 | Yamashita, Hidetoshi | 3 | 45.8333% |
83 | Maki, Yousuke | 3 | 38.6667% |
84 | Ashikaga, Masatoshi | 1 | 43.7500% |
85 | Ozawa, Kensuke | 1 | 41.6667% |
86 | Akahoshi, Jun | 1 | 35.1852% |
87 | Matsumura, Takehiko | 0 | 50.0000% |
Table | Player | Result | Opponent | |
1 | Shoji, Kenta | Drew 0-0-0 | vs. | Suto, Takuo |
2 | Ogawara, Youhei | Lost 1-2 | vs. | Senba, Koutaro |
3 | Ueki, Junichi | Lost 1-2 | vs. | Imai, Ayato |
4 | Watanabe, Ryuji | Lost 1-2 | vs. | Urasawa, Taiji |
5 | Yamauchi, Kazushi | Drew 0-0-0 | vs. | Sugaya, Hironobu |
6 | Kohigashi, Akira | Lost 0-2 | vs. | Hoshi, Kazuto |
7 | Haze, Takashi | Won 2-1 | vs. | Osada, Masahiro |
8 | Takasugi, Ryota | Won 2-0 | vs. | Noiri, Shota |
9 | Kadota, Shinichi | Lost 1-2 | vs. | Okamoto, Masahiro |
10 | Hirayama, Daisuke | Won 2-0 | vs. | Masuno, Ryosuke |
11 | Naruke, Takamitsu | Lost 0-2 | vs. | Mitamura, Kazuya |
12 | Saishu, Hiroaki | Lost 0-2 | vs. | Oikawa, Masafumi |
13 | Imamura, Hirotaka | Won 2-0 | vs. | Fujisawa, Masashi |
14 | Igarashi, Jun | Won 2-1 | vs. | Ikuta, Kenichiro |
15 | Sakurai, Hikaru | Drew 0-0-0 | vs. | Mihara, Makihito |
16 | Kase, Masahito | Won 2-1 | vs. | Suzuki, Sadao |
17 | Taura, Ryuji | Won 2-1 | vs. | Umi, Hirokazu |
18 | Hagiwara, Noriyuki | Won 2-1 | vs. | Takasaki, Yuichi |
19 | Yamamoto, Sadaaki | Lost 0-2 | vs. | Takeda, Harunobu |
20 | Miyamoto, Hiroya | Lost 0-2 | vs. | Tamura, Youhei |
21 | Mori, Masatake | Won 2-0 | vs. | Hattori, Taiki |
22 | Taira, Shunichi | Lost 0-2 | vs. | Yanagida, Yuya |
23 | Arita, Ryuichi | Won 2-0 | vs. | Hosono, Masahisa |
24 | Yamada, Shintaro | Lost 0-2 | vs. | Tabe, Keita |
25 | Yoshimori, Sho | Won 2-1 | vs. | Ohta, Yusuke |
26 | Suzuki, Taiki | Won 2-1 | vs. | Murakami, Kouhei |
27 | Goto, Kousuke | Won 2-0 | vs. | Fujimoto, Yousuke |
28 | Arakane, Daisuke | Lost 1-2 | vs. | Bando, Junichiro |
29 | Akiyama, Takashi | Lost 0-2 | vs. | Higashi, Takao |
Yoshino, Eiichi | * BYE * |
Table | Player | Points | Opponent | Points | |
1 | Shoji, Kenta | 19 | vs. | Suto, Takuo | 18 |
18 | Hagiwara, Noriyuki | 19 | vs. | Takasaki, Yuichi | 19 |
5 | Yamauchi, Kazushi | 18 | vs. | Sugaya, Hironobu | 18 |
15 | Sakurai, Hikaru | 18 | vs. | Mihara, Makihito | 18 |
10 | Hirayama, Daisuke | 16 | vs. | Masuno, Ryosuke | 15 |
9 | Kadota, Shinichi | 15 | vs. | Okamoto, Masahiro | 15 |
25 | Yoshimori, Sho | 15 | vs. | Ohta, Yusuke | 15 |
17 | Taura, Ryuji | 15 | vs. | Umi, Hirokazu | 15 |
2 | Ogawara, Youhei | 15 | vs. | Senba, Koutaro | 15 |
29 | Akiyama, Takashi | 15 | vs. | Higashi, Takao | 14 |
21 | Mori, Masatake | 15 | vs. | Hattori, Taiki | 15 |
20 | Miyamoto, Hiroya | 15 | vs. | Tamura, Youhei | 15 |
28 | Arakane, Daisuke | 14 | vs. | Bando, Junichiro | 14 |
11 | Naruke, Takamitsu | 13 | vs. | Mitamura, Kazuya | 12 |
4 | Watanabe, Ryuji | 12 | vs. | Urasawa, Taiji | 12 |
26 | Suzuki, Taiki | 12 | vs. | Murakami, Kouhei | 11 |
23 | Arita, Ryuichi | 12 | vs. | Hosono, Masahisa | 12 |
24 | Yamada, Shintaro | 12 | vs. | Tabe, Keita | 12 |
6 | Kohigashi, Akira | 12 | vs. | Hoshi, Kazuto | 12 |
16 | Kase, Masahito | 12 | vs. | Suzuki, Sadao | 12 |
22 | Taira, Shunichi | 12 | vs. | Yanagida, Yuya | 12 |
13 | Imamura, Hirotaka | 10 | vs. | Fujisawa, Masashi | 10 |
7 | Haze, Takashi | 9 | vs. | Osada, Masahiro | 9 |
8 | Takasugi, Ryota | 9 | vs. | Noiri, Shota | 9 |
27 | Goto, Kousuke | 9 | vs. | Fujimoto, Yousuke | 9 |
14 | Igarashi, Jun | 9 | vs. | Ikuta, Kenichiro | 9 |
3 | Ueki, Junichi | 9 | vs. | Imai, Ayato | 9 |
19 | Yamamoto, Sadaaki | 8 | vs. | Takeda, Harunobu | 7 |
12 | Saishu, Hiroaki | 6 | vs. | Oikawa, Masafumi | 6 |
Yoshino, Eiichi | 5 | * BYE * |
Rank | Player | Points | OMW% |
1 | Hagiwara, Noriyuki | 19 | 73.33% |
2 | Shoji, Kenta | 19 | 65.98% |
3 | Takasaki, Yuichi | 19 | 63.33% |
4 | Mihara, Makihito | 18 | 71.42% |
5 | Sugaya, Hironobu | 18 | 69.04% |
6 | Sakurai, Hikaru | 18 | 67.93% |
7 | Suto, Takuo | 18 | 58.43% |
8 | Yamauchi, Kazushi | 18 | 51.29% |
9 | Hirayama, Daisuke | 16 | 56.34% |
10 | Akiyama, Takashi | 15 | 79.76% |
11 | Senba, Koutaro | 15 | 77.38% |
12 | Umi, Hirokazu | 15 | 76.76% |
13 | Kadota, Shinichi | 15 | 69.52% |
14 | Miyamoto, Hiroya | 15 | 68.57% |
15 | Taura, Ryuji | 15 | 65.98% |
16 | Ohta, Yusuke | 15 | 64.28% |
17 | Tamura, Youhei | 15 | 61.15% |
18 | Masuno, Ryosuke | 15 | 60.71% |
19 | Ogawara, Youhei | 15 | 58.84% |
20 | Yoshimori, Sho | 15 | 57.14% |
21 | Mori, Masatake | 15 | 55.78% |
22 | Hattori, Taiki | 15 | 54.36% |
23 | Okamoto, Masahiro | 15 | 50.71% |
24 | Higashi, Takao | 14 | 60.54% |
25 | Arakane, Daisuke | 14 | 59.18% |
26 | Bando, Junichiro | 14 | 57.14% |
27 | Naruke, Takamitsu | 13 | 55.78% |
28 | Mitamura, Kazuya | 12 | 69.04% |
29 | Yanagida, Yuya | 12 | 66.66% |
30 | Arita, Ryuichi | 12 | 64.62% |
31 | Kase, Masahito | 12 | 64.28% |
32 | Tada, Kouhei | 12 | 62.92% |
33 | Tabe, Keita | 12 | 62.85% |
34 | Hosono, Masahisa | 12 | 61.50% |
35 | Taira, Shunichi | 12 | 58.23% |
36 | Watanabe, Ryuji | 12 | 56.80% |
37 | Yamada, Shintaro | 12 | 53.74% |
38 | Urasawa, Taiji | 12 | 53.17% |
39 | Hoshi, Kazuto | 12 | 53.06% |
40 | Kohigashi, Akira | 12 | 51.02% |
41 | Sugiyama, Kenji | 12 | 50.34% |
42 | Nakamichi, Daisuke | 12 | 49.65% |
43 | Suzuki, Taiki | 12 | 48.80% |
44 | Suzuki, Sadao | 12 | 48.02% |
45 | Murakami, Kouhei | 11 | 44.62% |
46 | Imamura, Hirotaka | 10 | 61.11% |
47 | Fujisawa, Masashi | 10 | 47.95% |
48 | Takagi, Takayuki | 9 | 66.66% |
49 | Uchida, Kenji | 9 | 66.66% |
50 | Fujimoto, Yousuke | 9 | 66.66% |
51 | Takasugi, Ryota | 9 | 63.33% |
52 | Kanazawa, Ayanobu | 9 | 62.00% |
53 | Miyauchi, Makoto | 9 | 60.00% |
54 | Igarashi, Jun | 9 | 58.84% |
55 | Ueki, Junichi | 9 | 57.14% |
56 | Inose, Katsuya | 9 | 54.81% |
57 | Suzuki, Yuji | 9 | 54.16% |
58 | Haze, Takashi | 9 | 51.98% |
59 | Hashimoto, Yu | 9 | 51.66% |
60 | Imai, Ayato | 9 | 50.34% |
61 | Osada, Masahiro | 9 | 47.61% |
62 | Goto, Kousuke | 9 | 45.91% |
63 | Ikuta, Kenichiro | 9 | 45.57% |
64 | Noiri, Shota | 9 | 41.58% |
65 | Yamamoto, Sadaaki | 8 | 49.65% |
66 | Takeda, Harunobu | 7 | 46.25% |
67 | Kitagawa, Norio | 6 | 64.58% |
68 | Watabiki, Takahito | 6 | 60.66% |
69 | Miura, Satoru | 6 | 58.33% |
70 | Arai, Kenichiro | 6 | 52.08% |
71 | Endo, Akiteru | 6 | 51.02% |
72 | Furuya, Kazuyuki | 6 | 47.61% |
73 | Sato, Kanata | 6 | 46.29% |
74 | Saishu, Hiroaki | 6 | 45.64% |
75 | Oikawa, Masafumi | 6 | 44.21% |
76 | Ooishi, Kenji | 6 | 40.47% |
77 | Yoshino, Eiichi | 5 | 45.57% |
78 | Tsuboyama, Shuta | 4 | 39.16% |
79 | Yanagihara, Hiroki | 3 | 72.22% |
80 | Yamauchi, Takashi | 3 | 52.77% |
81 | Hosono, Tsunehisa | 3 | 50.66% |
82 | Yamashita, Hidetoshi | 3 | 45.83% |
83 | Maki, Yousuke | 3 | 38.66% |
84 | Ashikaga, Masatoshi | 1 | 43.75% |
85 | Ozawa, Kensuke | 1 | 41.66% |
86 | Akahoshi, Jun | 1 | 35.18% |
87 | Matsumura, Takehiko | 0 | 50.00% |